ペテン師は罠を張る【parasite garden】
ねえ、槙島くん……貴方は一体――わたしには同棲をしている彼氏がいる。名前は辰馬。でも最近の辰馬は冷たい。いつも帰ってくるのは遅いし食事は外で済ませてくるし……これってわたしがセックスが苦手で辰馬との行為に応じてあげられないからなのかなって一人で悶々と悩んでいた。ある日、大学時代のサークルの繋がりの飲み会を槙島くんの家でやることになって私も参加した。辰馬は会社の人と用事があるから来なかった。せっかくだから楽しく飲もうと、普段はあんまり飲まないお酒を飲んで騒いだ。ちょっとだけ辰馬の愚痴も言っちゃったりして……みんな笑って聞いてくれていたけれど全員が眠りこけた後、槙島くんだけが真剣に私の悩みに乗ってくれた。