歌うたいの人形は愛を知らない【さくらのきのした】【柏木存美】
上流階級の人間が『人形』の階級である人間を’資産’として保有する世界。より特異であり魅力的な人形を求め、日々旦那様たちは様々な人形を買い求める。とある大富豪の元で愛玩されているのは『歌うたいの人形・リンユー(鈴玉)』。美しい見た目と名前に違わぬ素晴らしい歌声をもつ彼女を一番近くで世話をするのは、旦那様からの信頼が最も厚い執事のこの私、『ダニエル・アギーレ』。これから先もずっと、この美しい人形の彼女を一番近くで見守り続けていく。そう私は信じていた━━『リンユーはもう流行遅れだ。歌声もどんどん弱っていっている。そろそろ変態共にでも売りつけてやるか。』━━その言葉を旦那様から聞くまでは。